午後2時に始まる高石北斎の野望

ハロヲタのための24のガヴォット第2番イ長調 視神経午前2時  

アレニウスの定義

酸・塩基の定義でごく初歩の段階で出てくるのが

アレニウスの定義

昔はたいてい中学校くらいで学習していたと思います。


水溶液中で電離して水素イオンを出すものを酸という
水溶液中で電離して水酸化物イオンを出すものを塩基という

ブレンステッドの定義やルイスの定義は
ある化学種がある反応においてどちらの働きをしているか
ということなので物質によって決まっているわけではなく
そういう意味できちんと理解していないとかえって混乱します。

その点アレニウスの定義なら 硫酸は酸 水酸化ナトリウムは塩基
というように物質ごとに定義できるので初心者にも覚えやすい

ただここで 水溶液中で という部分が曲者なんですね。

酸が酸として働き 酸性を示すためには水が存在する必要があります。
だから濃硫酸はほとんど酸性を示しません。
硫酸が電離するために必要な水がほとんど含まれていないからだ

硫酸は強酸すなわち強い酸ではあるけれど
硫酸の濃い水溶液である濃硫酸はほとんど酸性を示さないわけです。

酸とか酸性とかいう言葉は使われる頻度が多いけれど
正しく理解している人がものすごく少ないような気がします。


さらに物質の分類として 酸 塩基 塩 という言葉が使われる場合と
アレニウスの定義から 酸(または塩基)である という場合で異なるのです。

例えば炭酸ナトリウムという物質は物質の分類としては 塩 なのですが
水溶液中では完全に電離してナトリウムイオンと炭酸イオンになります。
ところが炭酸イオンはずぐに溶媒の水と反応して
炭酸水素イオンと水酸化物イオンになります。

したがって炭酸ナトリウムは
水溶液中で電離して水酸化物イオンを出したわけですから
塩基である ということになります。
実際炭酸ナトリウムの水溶液はかなり強いアルカリ性を示します。

このあたり初心者(高校生から大学の学部生くらいまで)にとって
かなりややこしいところなのかもしれません。