塩基とは
日本語で 酸 の反意語は 塩基 である
英語なら acid の反意語 は base
なのに 酸性の反対は と聞くと アルカリ性 と答える人が多い
(賛成の反対は反対 反対の反対は賛成)
なんで日本語の反意語がアラビア語?
不思議なことにこのアラビア語は妙に人気がある
しかし動物にとってアルカリは酸よりも危険な場合が多い
食品のほとんどは酸性だし
強酸性の温泉はあっても強アルカリ性の温泉なんてないし あったら危険だ
ひとむかし前の アルカリ は今の マイナスイオン なみに偽科学でもてはやされた
塩基 というと 生命科学での アデニン チミン グアニン シトシン ウラシル
のほうを思い浮かべる人も多いかもしれない
化学でいうところの 塩基 は アレニウスの定義 によると
水溶液中で電離して水酸化物イオンを生ずる物質 である
この意味での 塩基 を アルカリ と称することが多い
実際 水に溶ける塩基をアルカリという と書いてある教科書や参考書も多い
しかし実際にはほとんど同じ意味で使われていることが多い
確かに字から考えると 塩基 は 酸と反応して塩を生ずるもの だから
水に溶けないが酸と反応して塩を生ずるものは塩基でありそのうち水に溶けるものをアルカリという
という考え方も悪くないのかもしれない
アルカリ性 というのは水溶液の性質だから
水に溶けない塩基はアルカリ性を示さない ということになる
強い塩基であっても溶解度が小さければアルカリ性は極めて弱い ということだ
だから一般的には電離度(正確には電離定数)が大きくても
溶解度の小さい水酸化マグネシウムなどは弱塩基に分類されることがありますが
塩化マグネシウムや硫酸マグネシウムの水溶液はほぼ中性になるので注意が必要です。
したがって強塩基となるのは
アルカリ金属の水酸化物(1価の強塩基) と
アルカリ土類金属の水酸化物(2価の強塩基) だけです。
これらの水溶液がアルカリ性を示すのは水酸化物イオンのためであり
ナトリウムイオン カリウムイオン カルシウムイオン などは中性です。
だから 塩化ナトリウム や 塩化カルシウム などの水溶液は中性です。
ナトリウムイオン カリウムイオン カルシウムイオン などは
酸にも 塩基にも 酸化剤にも 還元剤にも なりにくい安定なイオンです。
これらの水溶液を電気分解をしても還元されることはなく水が還元されて水素を発生します。
すなわち水よりも還元されにくい(酸化剤にならない) ということです。