午後2時に始まる高石北斎の野望

ハロヲタのための24のガヴォット第2番イ長調 視神経午前2時  

2族元素の基礎知識

新年度になってもう2ヶ月が過ぎてしまいましたが
2族元素に関する基本的なことをまとめてみようと思います。
周期表で2族に属するのは

ベリリウム
マグネシウム
カルシウム
ストロンチウム
バリウム

の5つです。(ラジウム安定同位体が存在しない)
このうち 下の3つは古くから三つ組元素とされていたように
たいへん共通点が多く

アルカリ土類
と呼ばれるのに対し
上の2つはちょっと性質が異なり
むしろ12族や13族に近い性質を示します。


ただすべてに共通するのは

価電子が2    であり

2価の陽イオンとして存在しているということです。
1価の陽イオンより陰イオンとの間の結合が強くなるぶん
水に不溶な化合物として存在する可能性が大きくなります。
ですから水の中(海水・陸水・生物の体液など)に存在するよりも
形のあるもの(岩石・鉱物・生物体の固形物)として存在します。
言い換えれば 土 として存在していることが多いわけです。


カルシウムは地殻で5番目に多い元素ですから
かなりの量が 方解石(石灰岩や大理石)として存在し
生物界では動物の骨や歯それに貝殻や珊瑚としても存在します。
石灰岩の起源はもともと生物でしょう)
さらにコンクリート石灰岩が原料ですからやはりカルシウムを含んでいます。
筋肉の収縮や血液の凝固など
カルシウムイオンが関与する現象はものすごくたくさんあります。



いずれも2価の陽イオンがかなり安定なわけですから
水溶液の電気分解によって単体を得ることはできません
これらのイオンを含む水溶液を電気分解すると
陰極では水素イオンもしくは水が還元されて水素を発生してしまいます。
アルカリ土類の単体はアルカリ金属ほど激しくはありませんが
水と反応して水素を発生し水酸化物になってしまいます。
マグネシウムの単体は空気中でかろうじて存在できますが
高温の水とは反応してしまいます。
また加熱すると激しく燃焼します。


アルカリ土類の水酸化物は水に溶け強い塩基性を示します。
(2価の強塩基としてはたらく)
しかしベリリウムマグネシウムの水酸化物は水に溶けません。
逆にアルカリ土類の硫酸塩は水に溶けず、硫酸マグネシウムは水に溶けます。
炭酸塩はいずれも水に溶けませんが塩酸には溶けて二酸化炭素を発生します。
なので硫酸バリウムは消化器の検査に使われますが炭酸バリウムは毒です。